素直に正直に命をかけて

最近

命をかけて

という言葉が好きになった

それは

明日死ぬと思ったら

俺は今

何をするだろうと

その視点を思い出させてくれるから

明日死ぬとしたら

俺は

後悔のない今を過ごしたい

自分を見失わず

素直に正直に

思いを

まわりの人に伝えるだけ

それは刹那的ではなくて

俺の思いが

誰かに伝わって

そして

それが

俺の魂になって

その人の中に

生き続けてくれたらいい

俺の命をかけた思いとして

遅れて

社会人になった

遅れたから

最初に見た

社会は

激流だった

その

激しい流れの上を

小さな船で一生懸命漕いだ

俺の日常は

俺の生きる時間は

ほとんどが

その上だった

だんだんと

その流れも落ち着いて

やっと

その流れだけではなくて

まわりに咲く花の色や

おだやかな日差しの意味も

感じてきたあの頃

激流の中を共にいてくれたあの子は

もう

俺には嫌気をさしてしまっていたんだ

俺はあの子を守るために

危険な小さな船に乗って

一生懸命やってたつもりだったけど

あの子にわかりやすいかたちで

伝える術や精神的余裕を

持ち合わせていなかったのだろう

そして

どこかで

あの子のことを

腹の底から愛すことが出来ていなかったんだ

あの子との最後にも伝えたけど

俺にはきみではなくて

きみにも俺ではなかった

ただそれだけだった

でも

俺は

感謝してる

あの子がしてくれたこと

毎日

小さなホワイトボードに

夕飯のメニューが書かれていて

あの子は隣の部屋で

いびきをかいて寝てた

そんな当たり前も

当たり前ではなくなって

コンビニやスーパーの弁当ばかりの

日常になって

顔のふきでものが多くなったときに

あの子を感じずにはいられなかった

だけど

俺は前を向いて

前に進むことを決めたから

そんな現実も

自分が選んだ道だと

心に甘えを許さず

瑠美を

瑠美だけを

大切にやってきた

瑠美は

夜起きてる

朝早く起きなきゃだから

早く寝るようにする

あの子は

夜寝てた

朝早く起きなきゃだから

朝型の生活スタイルだった

そこから

俺にはあの子ではなかったんだ

あの子は健康的で

なにも間違っていない

でも

俺の日常と

俺のスタイルが

夜型だった

言葉にしたら

乾いた現実を感じる

でも

それ以上に

感謝してる

俺にはきみではなかった

きみにも俺ではなかった

ただ

それだけだったんだ

価値観の違いというやつだった

瑠美とこれからも一緒にいたら

また

素直に正直になれなくなるのかな

そんな恐怖はいつも抱えてる

ふざけてばっかりで

本当の気持ちを伝えられなくなるのかな

そんな恐怖をいつも抱えてる

でも

何か違う希望を感じてる

瑠美は俺にとって一生の出会いだった

その思いを

命をかけて

伝えていくだけだ

過去を恐れずに

明日死ぬと思って

今日を後悔なく生きようと

また

簡単な結論に至るまでだ