my real bro is dying in 15 years

兄貴が2つの難病にかかっていると

知ったのは2020年の年が明けてから

2019年の年末に

家族で集まる場で

兄貴は検査入院して集まれなかったから

暗雲は感じていたんだけど

おおまかに

余命15年くらいと言われたみたいだ

兄貴とは

兄貴が高校生まで

一つ屋根の下で一緒に暮らした

すごく仲が良かった

笑いのツボが一緒だった

前の彼女には

すごく似ていると言われた

そんな兄貴は

社会人になってからは

生き急いでいるような生活だった

仕事で稼ぎまくって

酒もたくさん飲んで

家庭を持っているけれど

なんとか維持していた

そんなツケもまわってか

いよいよ体にガタがきたか

バカだなあと笑い飛ばせる反面

少し油断したら

親愛なる兄貴の不幸に

涙が出そうだ

でも

人の命には限りがある

兄貴の場合は

おおまかに15年くらいという目印がついただけ

もしかしたらもっと早いかもしれないし

医学が進歩すればもっと長く生きられるかもしれない

そんなことはわからない

そして

俺も瑠美もみんなも

いつまで生きられるかなんてわからない

そんな中で

兄貴にはおおまかな期限がついた

今の時点で

それを憂うことは簡単だ

でも俺はそれはしたくない

そこから何かを感じて

行動していくだけ

俺が小学生の時

よく一緒に遊んだ

よくけんかするのに

なんでか

また

一緒に遊んで

けんかして

よく兄貴だからって

兄貴が親に怒られてて

俺はしめしめと思ってたけど

またけんかして痛い目にあったり

仲良いのか悪いのかわからなかったけど

なんでか一緒にいた

そして俺は兄貴があの頃も

今も大好きだ

いつも誰に対しても少年のような

素直さを持っている兄貴

兄貴の結婚式で

奥さんが

兄貴のどこが好きなのか

みたいなよくある

パンフレットの項目に

「少年のような心」

と書いてあっただけで

全てに安心した

声を張ると声が高い

俺も同じ

笑うツボがおかしい

俺も同じ

酒が好き

俺も同じ

俺と兄貴は違うもちろん人間だけど

血が繋がって同じ環境で生きてきたから

たくさん共通点がある

そんな兄貴は

おおよそ15年くらいで死ぬらしい

そう考えると

生きている間に俺には

やれることがあると思う

やりたいことがあると思う

兄貴の命の期限を意識したことから

他にももっと大切にできることがあると

改めて気づかされてもいる

俺は兄貴の命を無駄にしない

兄貴の命の炎を見て感じたことを

やがてそれが消えることを実感した

俺の中の命の炎を

全ての命の炎を

俺は無駄にしたくないと

改めて感じたんたんだ