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ごめんね

俺が生きてきた30年

まっとうなストーリーではなかった

ごめんね

日の当たる思い出じゃない

暗闇でもなかった

木漏れ日とミッドナイト

クリーンじゃなかった

だから真っ黒い人たちに目がいった

でも暗闇に行くには勇気がなかった

俺たちはそんな仲間たち

みんな心は純粋だったから

俺たちは田舎の心の優しい少年たち

田舎の不幸な不良たちではなかった

でも田舎にいたから

不良と優しさの間を俺たちは

葛藤してやってきたんだ

みんな心の底は優しくて

その優しさだけで生きていけるのに

きっとそんな自分に照れてたんだろう

不良とは

優しさのことではないかしら

太宰治の言葉

俺はその言葉に自分を重ねた

何もない不良ではなかった

ただの優しい不良だった

タバコ

安いお酒

女の子

バイク

手持ち花火

改造車

時々

大麻

時々

ハーブ

夜中の

コンビニ

ドンキ

心霊スポット

廃墟

チンピラ

やくざ

あの頃の思い出

ストリート

今でも多いイリーガル

そんな恐怖と隣り合わせ

木漏れ日から暗闇をのぞく好奇心

暗闇と木漏れ日の違いを感じる日々

そこにあったのは

生まれ持った優しさ

俺たちは

優しい不良

優しさだけじゃ照れくさくて

何も持たない不良にはなれなくて

中途半端な

優しい不良だった

まわりにいたイリーガル

わかりあえなかった家庭環境

うちに秘めた優しさ

与えてくれたパパとママ

大人になってもいてくれたパパとママ

大好きなパパとママ

ごめんね

そうやって生きてきてしまった

だせえけど心の中でいきってきた

だせえけど

真面目になんてできなかった

中学校のときの制服の裏地は紫色

親父からもらった

タイトな学ラン

タグには意味のわからない

BLACK CAT

こっそり

素行の良い中学校で着る

親父がくれた

裏地が紫色のタイトな学ラン

それが

優しい不良だった

俺の思い出

心の中でいきってた

優しい不良の俺