良い日、旅立ち

きみのアパート

あの頃は毎日そこが帰り道

きみのアパート

きっとこれが最後

忘れ物を取りに

もう夜も遅かったから

早寝のきみに支障を

きたしたくなかった

だから話す時間はなかったから

向かう車の30分

電話で話す時間にした

俺は自分の気持ちを伝えた

きみがいなくなった穴は

誰にも変えられないから

寂しさはもちろんあるけれど

前を向いていくことを決めたのは自分だから

責任持って俺はこれからを大切にするよ

そしたらきみは

そんなこと

思うんだねって

あなたは感情を隠すじゃないって

だから

そんなことを思うなんて

びっくりだって

悲しそうに

泣くのを

我慢してたのに気づいたよ

俺も

涙が流れないように我慢して

電話をしてた

もうお別れを決めて

俺は瑠美を幸せにしたい

瑠美に会えたのもきみのおかげ

だから

感謝してる

けど

そんなに簡単なことじゃないから

いつも

考えないように

努力してる

だって今まで2年3カ月

死ぬ気で一緒にいたんだから

誰にも言わない言葉を

誰にもわかない感情を

誰にも言ってはいけない言葉を

きみにしかわかない感情を

きみに伝えてきたんだから

そりゃあ

あいた穴は大きいに違ってる

だけど

そんな俺をきみは想像してなかった

俺だって人間だからさ

そういう感情はあるよって言ったら

びっくりしてたね

それがわかりあえなかった

ずれ

それが伝わらなかった

ずれ

きみは悪くない

俺も悪くない

ただ

お互いにとってお互いでなかったんだ

離れると

一緒にいた記憶を思い出して

なぜだか

美化してしまうね

その当時

大切にできなかったくせに

なぜだか

美化してしまうんだ

でも今は違う

瑠美と見る景色を永遠にしたいから

瑠美といる時間を大切にしたいと思う

ずっと一緒にいたいから

ずっと一緒にいる方法を考えている

ずっと一緒にいたいから

ずっと一緒にいる方法を考えている

それがすぐに来るように

瑠美が不安にならないように

そんなことを思っている

一つの恋が終わった

終わりは始まり

始まりは永遠に近づいている

俺が死んだら

瑠美と一緒の墓に入れてほしい

瑠美が死んだら

俺も一緒の墓に入れてほしい

そんな気持ち

そんな

優しい

気持ち